大阿原湿原は長野県富士見町の入笠山近くにあり、「テイ沢の源流にある本州最南端の高層湿原で、面積約12ha標高1.618m、3億年前に形成され湿原から草原へと移行しつつあり湿原としては老年期の湿原」とガイドにあります。中心部に水の流れがありますが見渡しは草原のようで季節により様々な色あいの表情を見せてくれます。木道もよく整備されグルリと一周するにもそれほど時間がかからず、途中までなら車椅子で行く事もできます。
湿原専門に写真を撮っている訳ではないが、一度訪れたらその広がりの規模と様々な植生が見せる表情と色合い、ディテールの魅力、場所により異なる景色に惹かれて幾度か訪れているので撮影した写真を載せていきます。
大阿原湿原は標高1,600mにあるので緑で輝く季節は以外に短く、5月と11月に撮影した上の写真4点は少々寂しい色あいになっていますが、この微妙な色合いの重なりと植生の織りなす独特なディテールがこの湿原の魅力でもあると思います。7月から8月にかけて周りの森の深い緑と湿原の明るい緑と黄緑のコントラストのある景色が楽しめます。9月半ば過ぎには少し紅葉が入り美しく微妙な色合いを見せ、晴れた日の早朝には湿原の上に霧が現れる事もあります。大阿原湿原は規模もそれ程大きくなく湿原としての知名度はそれほど高くないと思います。そのせいかハイカーや観光客を多く見かける事もなく、季節外れに訪れると殆ど人に会う事もなくゆっくりと観察出来るところも気に入っています。富士見町から入笠山を目指せば車で湿原の駐車場まで行く事が出来ます。(季節によりマイカーの時間規制が行われています。早朝に行くのがベストです。)湿原各所で季節の織りなす色合いとディテールを下のスライドショーで紹介します。
最近はスマフォカメラも進化してかなりしっかりした画像として旅の記憶を記録するのも可能ですが、こと風景写真となると簡単に撮れてしまう事とかなりの広角レンズなので景色を切り取るのが難しいこともあり、(最新のiPhoneではやや望遠系のレンズ搭載のモデルも存在しますが)見た時に感じた感動やそこにあった空気感、温度や湿度、時の流れの一瞬の姿など一枚の写真に収めることはなかなか難しい事です。もちろん高性能なカメラでも同様ですが、3億年の年月を経て今日の表情を見せる大阿原湿原は今でもゆっくりと季節や時間でその表情を変化させています。撮影する前に良く観察し対峙すると、時々自然の方から何か語りかけてくるような気がする時があります。それに応えられるような写真が撮りたいと思っています。
尚、このページに掲載の写真は撮影した大阿原湿原写真の一部です。自身のWebサイトに湿原のページがあります。ご覧下さい。