富士山の森林限界(標高約2,200メートル)で撮影した写真を紹介します。富士スバルラインを登ると五合目まで車で行く事ができます。五合目の少し手前に奥庭の駐車場があり、そこから徒歩で少し下ると奥庭(御庭)です。昔からよく知られた観光スポットでもあり、「天狗の遊び場」とも言われています。
富士山は独立峰で現在も活火山です。最終氷期が終わった後も噴火が繰り返し起こった為2,000メートル付近から上はでは溶岩と火山砂礫に覆われ養分のある土は見当たりません。また独立峰で周囲の山々から植物が侵入しにくいという条件も重なり、独特の植生を観ることができます。(低いところでも火山活動の影響で保水性が低く森林限界の境界線が発生し、樹木を育てる条件が欠けてしまう)
奥庭は溶岩と砂礫の上に風雪に耐え矮小化したコメツガやカラマツの生える美しくも異様な姿を観察するには最高の場所で、自然が創り出した盆栽の様でもある。
このページに掲載した写真は少し古く2007年5月にNIKON D200と24-85Zoomで撮影したものです。NIKON D200は撮像素子がCCDセンサーで今時のCMOSセンサーと比べ独特の豊かな色のりが気に入っているので現在も時々使います。D200の撮影画素数は約1,000万で今日的感覚から見れば少なく小さいが、普通に使うぶんには充分。
機会があればまたこの奥庭を訪ねて見ようと思いますが、富士山が2013年に世界遺産へ登録された事により海外の観光客も含め大幅に訪れる人が増加し、それにより様々な規制も増えました。ゆっくりと静かな富士山を堪能する機会は減っている様に思います。
友人が育てた立派な松の盆栽を撮影した事がありますが、同じく極限の環境で生きる富士山奥庭の植生を観た時は自然の持つ強靱な生命力と、そのスケールに圧倒されます。
奥庭から少し下がった標高で撮影した5月の芽吹きと新緑の写真を最後に載せます。